アマゾン川といえば自然や動物、そして様々な文化を持った部族を連想するのは私だけでしょうか?
こうした物質文明に依存せずにいる文化って知りたくなります。
今回はそんなアマゾン川の周辺に住んでいる、興味深い言語と文化を持つ部族『ピダハン』について解説していきます。
この部族の特徴は『言語が今を表す表現』だけということです。
それでは詳しく見ていきます。
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Contents
アマゾン川の特徴と周辺の部族

まずは、アマゾン川周辺について少し説明します。
日本から約16,000キロ離れた南米には、ウユニ塩湖やマチュピチュなど人を惹きつける魅力的なスポットがいくつもあります。
その中でもアマゾン川は世界最大の河口であり、南米北部を5か国に跨り、いくつもの支流に分かれて流れています。
世界一の熱帯雨林と言われるだけあり、色々と面白い特徴があるので見ていきます。
水の色が違う

いくつも分かれる支流によって水の色が違います。
大まかに分けると「白い川」、「黒い川」、「緑の川」となっているようで、それぞれ水分中の成分に違いがあるようです。
またそれぞれの合流点では2色が見られることもあるそうです。
生物がたくさん生息
広大なアマゾン川周辺には実に様々な生物が生息しています。
また水中生物も多く生息しており、獰猛で有名な「ピラニア」や「カンディル」、「電気ウナギ」といった生物の他になんと海に生息しているはずの「サメ」や「ヒラメ」なども淡水化して生息しています。
さらには水中哺乳類の「イルカ」、「マナティ」もいるそうです。
広大すぎて、想像を超えていました。
まさか海中生物もいるなんてアマゾンてすごいです。
様々な部族が暮らしている
広大な自然の中で暮らしているのは動植物だけではありません。
アマゾンには、多くの部族が自然とともに暮らしています。
その中でもアマゾンに住む100近い部族はいまだに未接触なのだそう。
またブラジルでは先住民の約半数がアマゾンで生活しており国で保護区を作り、アマゾンに住む人々を見守っています。
独自の思想を持つ部族『ピダハン』

このように様々な部族が暮らすアマゾン周辺で個性的な思想を持った部族がピダハン族です。
彼らはアマゾン支流の1つのマイシー川(おそらく「緑の川」)沿岸に暮らす部族です。
また生活環境からもわかるように、様々な変わった特徴があるのです。
その最大の特徴は、
言語に今を表すものしかないということ。
すなわちピダハン族には、「過去」や「未来」といった今以外の思考がないのです。
そのほかの特徴をま簡単にまとめてみます。
・宗教が普及しない
・行動で気持ちを示す
・精霊が見える
まだまだあるのですが、特に印象に残った特徴をピックアップしてみました。
それでは1つずつ見ていきましょう。
宗教が普及しない

実際にある聖職者がキリスト教を広めようと彼らにコンタクトしたことがありました。
その宣教師の名前はダニエル・エウ”ェレット。
後にピダハン思想に触れて聖職者からピダハン語の言語学者になった人物です。
彼が書いたピダハン語に関する本ピダハンーー「言語本能」を超える文化と世界観
には、キリストの特徴をピダハン族から聞かれて内容が書かれています。
次にピダハンが訊いてくるのは、
「おい、ダン。イエスはどんな容貌だ?おれたちのように肌が黒いのか。おまえたちのように白いのか」
わたしは答える。
「いや、実際に見たことはないんだ。ずっと昔に生きていた人なんだ。でも彼の言葉はもっている」
「なあ、ダン。その男を見たことも聞いたこともないのなら、どうしてそいつの言葉をもってるんだ?」
ピダハン族の思想と言語には今しかありません。
ゆえに目に見えないものは信じないのです。
過去の言葉というが概念がないので、キリスト教も普及しなかったとされています。
言語が特殊

上記にも述べていますが、言語に過去や未来を表すものがありません。
過去の後悔もなければ、未来の不安もありません。
ゆえにうつ病や不安神経症などの現代を代表する精神疾患とは無縁なのです。
また、数の概念もなく、右左の概念もないので自分の場所を示す時は、「川から見て河口に村がある」と言う風に表現します。
これは、自分が基準ではなく自分自身も自然の中の一部であると言う考え方があるからです。
他にも「挨拶の言葉がない」、「感謝や反省の言葉がない」など普段、当たり前に使っている言語がないと言われています。
少なくとも日本で暮らしている中では、とても想像できないですね。
行動で気持ちを示す

感情を表現する言葉はピダハン語にはありません。しかし嬉しかったり、感謝している時は行動で気持ちを示します。
ギブアンドテイク的な感覚でしょうか。
してもらったら何かを手伝うといった共存環境ができているのです。
精霊が見える、存在を信じている
ピダハン族の人々にはなんと
「精霊」
が見えるといいます。
なんだか、ロマンチックですね。
森の精霊なので、スタジオジブリの映画『もののけ姫』 に登場する「コダマ」みたい。
目に見えない精霊ではなく現実で体験している、もう少し言うと体験を「精霊」と称しているということです。
ジャガーにも、木々にも「精霊」という言葉を用いるといいます。
彼らには実際に体験しているのでしょう。
物質文明に浸っている私たちからしたら非現実な気もしますが、精神文明を重んじる方々にとってはごく当たり前のことなのかもしれませんね。
感想

アマゾン川周辺に暮らす不思議な言語を話すピダハン族。
彼らを知った時は衝撃が走りました。
それと同時に、その思想にとても共感と感動したとことを覚えています。
過去、未来を示す言語がない
これと同様に行動概念すら”今”以外を表現しないのです。
『常に今を生きる。』
現代社会の様々な問題や不安、ストレスは「過去」の後悔と「未来」への不安、あるいは期待が原因なことも多いですよね。
この「今」という概念はこうした原因を取り除きます。
人生をシンプルに生きる。
知識を広げる必要はない。
>
人生は、今が一番幸せで、今の連続でしかない。
ピダハン族はこうした要素が思想にしっかり組み込んで力強く厳しいアマゾンを生き抜いているのではないでしょうか。
彼らの言語や思想は現代を幸福に生きるためのヒントが隠されているかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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